うつ病の夫が自殺してしまうかもしれない不安と恐怖に怯えていました
世の中の心と肉体にかかわらず病気というものは、「命の危険性がある/ない」に大きく分けられると思います。
うつ病は「命の危険性がある」病気でしょう。
落ち込みとストレスで命を縮める人はいても、死には直結しませんが、自殺する危険性でいうならば、命の危険性が大いにある症状です。
うつ病の夫に対して、私が一番恐れていたことは、自殺です。
おそらく同じ境遇の家族の方はみんな恐怖を持っていると思います。
特に当時専業主婦だった私は、ここであえて書きますが、収入的な不安もありました。
娘を抱えて一人で生きなければいけない不安を持っていました。
夫も私は娘を残して自殺はできないと必死で耐えてくれました。
本当に感謝しています。
もし夫が独り身の時だったら、命を絶っていたかもしれません。
本人もそう言っています。
時々夫は自殺願望がニョキッと顔を出していたそうです。
でも、私たち家族がいたからこそ、自殺に踏み切ることなく、今は元気に回復できたことを思えば、夫と私と生まれてきてくれた娘の出会いは運命だったと思います。
夫はその家族とは母親とは非常に密接でしたが、他の人間とは疎遠でした。
そこにうつ病になる遠因があると夫自身も自己分析していました。
ですから、私たちだけでなく、私から見れば義母の存在も大きかったと思います。
でも、夫がいくら自殺を自制していても、抗うつ薬の副作用で自殺衝動が増すことやうつ病回復期の自殺のリスクがありました。
回復していても、何をしていても、その記事を読んでから気が気でありませんでした。
家から戻った時、夫が首を吊っていたら? という想像までよくしていました。娘がそれを発見した時のトラウマまで考えてしまったり。
電車飛び込み自殺があったとニュースを聞くと、ドキッとしてしまったり、家の近くから救急車のサイレンが鳴ると「もしかして・・・」と思ったり。
ナイフや刃物、カッター類、ハサミ類はすべて夫の目が届かないところにおいていました。自殺者はそういう「きっかけで」自殺へ吸い込まれていく記事を読んだことがありましたから。
うつ病の最悪期は自殺をしないと言います。そこまで踏み出す気力すら湧かないからです。
「死にたい、死にたい」と思っているだけですが、うつ病に私が戦慄したのは、回復期においてこそ、自殺のリスクが高まる、そして抗うつ薬の副作用によって自殺リスクが飛躍的に高まるということです。
うつ病から元気になったからこそ、自殺してしまう恐怖は、鬱病の回復期においても、私の心を曇らせていました。素直に喜べない私がいました。
このころは私も様々な心労で、更年期障害が悪化し続け、気持ちもうつ気味でしたから、何でも悪い方向に想像してしまうのです。
本当に本当に「夫の死」が一番の心配事でした。そうしたら私には娘しかいません。今こう書いていても涙が出てきます。
自殺願望や衝動を夫が乗り越えてくれたこと、それを手助けしてくれた先生に感謝です。